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テープ起こし

「ダブル・ヴィジョン」:実務のストーリーから課題を解明する

実務家のプロファイルの作成は、私たちが強い関心を抱いている実務上の課題を解明し、理解するのに役立ちます。このため、あなたの調査事項が何か、何を得たいのかを知る必要があります。

力強いプロファイルを作成するための最初のステップは、あなたが実務上のどんな要素に関心を持っているかを決めることです。あなたがインタビューの回答者からの協力を受けて解明したい課題は何ですか(関心事の明確化参照) 。

あなたは対象とする「事業」を用いて解明したい課題を検討しようとするでしょうが、プロファイルは、熟練した実務家(都市計画家、メディエータ、地域の教育者など)の取り組みを優先しています。プロファイルの目的は、実践者が教えてくれる日々の取り組み、判断、返答、対処方法を明らかにすることです。

このため、インタビューの実施時に2つのことがらを記録する必要があります。

  1. 事業における実践者の苦闘のストーリー
  2. 事業を通してあなたが解明したい分析の論点

このため、「ダブル・ヴィジョン」を養っておく必要があります。インタビューでは、事業のストーリーを引き出すと同時に、自身の関心事を解明するための機会を待たないといけません。

第1段階として、あなたは事業のストーリーを引き出さなければなりません。あなたの分析の論点を話し手に直接聞いても具体的な情報は全く得られないので、あなたは、実践において「何をしましたか。」「どのように対処したか。」といった話し手が答えられる具体的な質問を作成しなくてはいけません。こうした質問は、「何がおこりましたか。」「次に何が起こりましたか。」「彼らは何をしましたか。」「あなたは何をしましたか。」「どのように収束しましたか。」のように、取り組みや戦略に関するものに偏る傾向があります(「プロファイルの作成」の「質問作成のヒント」を参照)。

一方で、すべての経緯について、「客観的に」詳細な情報を集めることはできません。そうしたことは不可能です。あなたは、話し手に最も重要な発見を話してもらうだけでなく、自分自身の分析の興味に基づいてストーリーを構築する必要があります。したがって、自分が何を明らかにしたいのかを絶えず考えている必要があります。

第2段階としては、関心事により注意を払いましょう。たとえば、あなたはどのように都市計画家が怒りや対立を処理したかについて関心があるとします。話し手が「激しい会議でした。」といったとき、あなたは「激しい」という単語に注意を払わなければなりません。あなたは、「「激しい」とはどういう意味ですか。」、「どのように激しかったのですか。」と聞きたくなるでしょう。話し手がきっかけを提供するので、あなたは理解がより深まるように反応しなければなりません。

注意:私たちはインタビューの回答者である話し手の仕事をある程度推測してインタビューを開始しますが、既に収集した情報をインタビューで確認するだけではありまでん。私たちは、インタビューを通して、アイデアを完全なものにしたり、より複雑にしたり、明文化されていないものをより深く理解しようとしなければいけません。